【意外と知らない】たかが巾木、されど巾木
「巾木(幅木)」という建築部材をご存知でしょうか?
たまに壁に足をぶつけて「痛い!」ともがいたことが一度や二度はあるかと思いますが、ぶつけていたのは壁ではなく、巾木だった可能性が高いです。
巾木について、深掘りしてみたいと思います。
【意外と知らない】たかが巾木、されど巾木
巾木・幅木(はばき)とは
巾木(幅木) … 壁と床の継ぎ目に取り付ける建築部材。壁と床が接する部分に取り付けられている、細長い帯状の部材。
巾木には、様々な種類があるのですが、大きく分けると2種類です。
- 木巾木
- ビニール巾木(ソフト巾木)
わが家は集成材(木材の寄せ集め)や合板(ベニヤ板の貼り合わせ)を使わずに、オール無垢材で建てられているのですが、巾木には栂(ツガ)という無垢材の木巾木を使っています。
栂(ツガ)とは
栂 … 母なる木と書くツガ。マツ科ツガ属に分類される常緑針葉樹。
わが家は床材がパインの無垢材なので、材質や色合いの統一感を出すために、巾木は木巾木を選択しました。
選択したというより、工務店が無垢材しか使わないという理念で建築しているため、当然のように無垢材の木巾木になりました。
結果的に、ツガの真っ直ぐな木目に床材がマッチしていて、とても気に入っています。
床がビニールクロスなどの塩化ビニール系の素材であれば、ビニール巾木を採用することが多いようです。
木目調のフローリングであれば、木巾木を採用しても合うと思います。
余談ですが、下地材や構造材と同じように家具もオール無垢材にしたかったのですが、予算の関係で自分達で購入したテーブルなどには集成材も使っています。
なぜ、『巾木』が必要なのか?
新築するときに巾木にこだわる人はそれほど多くはないと思いますが、部屋をスマートに、スタイリッシュに見せるために巾木をなくしたいという人もいます。
実際に巾木の幅を狭くしたり、巾木自体なくしたりすることも可能のようです。
ですが、巾木をなくしたいと考えている人でも、巾木にはいくつかの大事な役割があることを知っておいた上で判断してはいかがでしょうか。
巾木の役割(まとめ)
- 床と壁の隙間(遊び)を隠し、床と壁が動いたときに力を逃す緩衝材の役割
- 床との隙間から冷暖房を逃がさない役割
- 物が接触したときに壁を保護する役割
特に、「壁を保護する役割」は大きいと感じています。
壁にうっかり足をぶつける程度でしたら問題はないかと思いますが、掃除機や運んだ家具がぶつかったり、小さいお子さんがいるご家庭ではおもちゃがぶつかったりすることがあります。
壁紙が破れたり、角が欠けたりすると、いずれ修理することになってしまいます。
巾木があることで修理をせずに済んだかもしれないところに、余計なメンテナンス代がかかってしまうというデメリットが考えられます。
ちなみに木巾木は湿気によるゆがみや膨張が生じることがあるようですが、新築から1年以上経ったわが家では、今のところ割れたりゆがんだりしている箇所は見当たりません。
「別に巾木なんてあってもなくても…」ぐらいに考えてしまいがちですが、設置されている意味を考えてみると家全体のイメージも変わってくることがあるので、参考にしていただければ幸いです。
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