『家を買いたくなったら』読む一冊
「家は、幸せになるための『道具』ではあるが、幸せそのものではない」
という長谷川氏(著者)の言葉が響く、『家を買いたくなったら』という書籍をご紹介します。
『家を買いたくなったら』読む一冊
著者が不動産業界に長く携わっていることから、家づくりの内容というよりは、理想の不動産を見つける手引書になっています。
「日本人の多くが土地を所有できるようになったのは第二次世界大戦後」
といった、歴史的な背景も記されていて興味深い一冊です。
戦前・戦中はほとんどの人が借家だったのですね。
多くの日本人が家をもてるようになったのは、国による住宅購入のための施策が始まった高度経済成長期の頃ですから、意外と歴史が浅いのです。
以下に、印象に残った箇所を一部引用します。
- 持ち家の魅力は、「自己実現」
- 中古物件はいい情報は店頭だけにあって、ネット上では掲載していないというのが業界の常識
- 「5年以内に必ず返済する」という方以外は、固定で借りておくことをおすすめ
- 不動産業者より早く情報を得て、お金を用意し購入するといったことは、実際には不可能
- 一般的にローンを組める限界は、年収の5倍
- 「人の行く 裏に道あり 花の山」
6点あるうち、2.3.6.について深掘りしていきます。
中古物件はいい情報は店頭だけにあって、ネット上では掲載していないというのが業界の常識
よい不動産を見つけるために、ネットに頼ってばかりではダメだということです。
仮に市場価格より20%も安い物件が売りに出たとしても、不動産業者がすぐに買ってしまうそうです。
逆に言えば、明らかに安い物件がネットに売りに出ていたとしたら、注意が必要だということです。
不動産業者も手を出さない、いわく付きの物件である可能性が高いです。
ですから、ムダ足をどんどん踏んで、いい物件と悪い物件を選別していく必要があると著者は言います。
気になる物件があれば、探偵のように近所の方に「聞き込み」をするのも有効です。
当たり前かもしれませんが、楽して掘り出し物が見つかるということはないんですね。
「5年以内に必ず返済する」という方以外は、固定で借りておくことをおすすめ
長らく超低金利が続いているので、これからも続くと予想して「変動金利」で住宅ローンを組む人が多いと思います。
ところが、金利は経済や国の財政状況によって、急に上昇することがあります。
2023年現在、住宅ローンの長期金利が、ゆるやかではありますが上昇しつつあります。
「5年以内に返済」と言われると、とても短い期間のように感じると思いますが、それぐらいの危機感をもって借りましょうということです。
実際に5年以内に返済できる人はどのくらいいるのでしょうか?
著者はおそらく、多くの人にとって変動金利はリスクが高いということを伝えたいことが読み取れます。
人の行く 裏に道あり 花の山
金融業界において有名な格言です。
美しい花を見たくて山に行くならば、誰も行かないような裏道に美しい花が咲いているという意味です。
土地探しに置き換えると、多くの人と同じ探し方をしている限り、いい土地には巡り合えないと言えます。
家づくりも同じだと私は思います。
日本において「大手信仰」とはよく言われます。
マイホームも「大手を選べば間違いない」という認識が強いように感じます。
しかし、「大手に任せておけばいい家が建つ」とは限らないという視点をもっておきたいものです。
【まとめ】家は、幸せになるための『道具』ではあるが、幸せそのものではない
いい家が手に入ったからといって、そこに住む人の関係もよくなるとは限らないですよね。
家を手に入れることはあくまでもスタート地点。
苦労して手に入れた「道具(家)」を、幸せになるために生かしていくことが大事ですね。
以上、自分にとっての理想の家を実現したい方のご参考になれば幸いです。
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