虫の目・鳥の目・魚の目で見る建築業界
『虫の目 鳥の目 魚の目』という言葉を聞いたことがありますか?
- 虫の目は、現場を見る
- 鳥の目は、全体を見る
- 魚の目は、時代の潮流を見る
といった意味です。
どれも大事な視点ですが、人はつい「虫の目」だけでとどまってしまうようです。
木を見て森を見ずといったところでしょうか。
本記事では、3つの目で建築業界を見てみたいと思います。
虫の目・鳥の目・魚の目で見る建築業界
現場の視点(虫の目)、俯瞰的な視点(鳥の目)、時代の潮流を捉える視点(魚の目)で考えてみます。
①虫の目で見る、新築住宅
「虫の目」で見ると、私の住む地域は人口が減り続けているのに、新築住宅がどんどん増えている印象があります。
供給過多の状態ですね。
空き家をリフォームしたりリノベーションしたりするわけでもなく、空き地を開拓し続けている状態です。
畑や田んぼも潰されて、どんどん住宅になっています。
消費者の立場としては、新車が欲しくなるように、中古物件より新築でマイホームをもちたくなりますよね。
「新築信仰」という言葉があるように、中古物件より新築が魅力的にうつるものです。
この現象は私の地域だけではないと思います。
一方、営業マンの立場に立って考えると、人口が減ろうが、収益を確保するために家を売り続けようとするのは当然のことです。
過疎地域だから売り上げを落としても仕方ない、とはならないでしょう。
②鳥の目で見る、空き家問題
ただ、日本全体を俯瞰する「鳥の目」では、空き家問題が見えてきます。
東洋経済オンラインの記事では、5年ごとに行われる総務省の「住宅・土地統計調査」をもとにして、2033年には3戸に1戸が空き家になると予測しています。
自宅の2軒となりは空き家ということです。
国土審議会政策部会長期展望委員会の『「国土の長期展望」中間とりまとめ 概要(平成23年2月21日)』によると、2100年の日本の人口は半分(6000万人)になると言われています。
見方によっては、日本の人口が3000万人になるとも言われています。
人口減少に比例するように、空き家が増えていきます。
③魚の目で見る、地域インフラの維持
このまま人口が減り続けて、空き家が増えると、何が問題になるのか?
空き家に囲まれた10年後をイメージすると、空き家が無法地帯となって治安が悪化しないか、少ない人口で地域インフラを維持できるのかなど、いろいろな課題が見えてきます。
空き家問題は、私たちの生活と密接につながっていると言えますね。
そして、建築業界は今のままのビジネスモデルが成り立つのか、疑問が残ります。
住宅を売り続けなければならない「商品」として捉えていては、供給過多の日本において限界が来る未来は容易に想像がつきます。
「家は古ければ古いほど資産価値が高い」という欧州の価値観に、見習うべきところがありそうです。
【まとめ】世の中のニーズと迎える未来を見極めよ
建築業界に限らず、私たちも世の中のニーズがどこからどこに流れるのかを見て、その結果どんな未来を迎えるのかを見極める「魚の目」をもっておかなければならないと思います。
以上、虫の目・鳥の目・魚の目で見る建築業界でした。
【 マイホームをつくる建築会社を選ぶ極意 】を 30,000文字で書きました! ⇒ 【実録】地元の工務店で建てよう|42tkbts|note