【エコハウスのウソ】見抜く方法
『エコハウス』と聞くと、どんなイメージをもちますか?
環境に配慮した家? 光熱費がかからない家?
究極のエコハウスとは、健康・快適な暮らしを未来永劫、エネルギーコストゼロで実現する家のことです。
ですが、エコハウスを謳っているから建てたのに、実際に住んでみたらエネルギーコストが全然削減されていないと感じたり、人づてにエコハウスの不満を聞いたりしたことはありませんか?
この記事は、エコハウスを建てたはずなのに、エコロジーな生活を送れていないのはなぜかと疑問をもつ方に向けて書いています。
【エコハウスのウソ】見抜く方法
エコハウスを建てたはずなのに、エコロジーな生活を送れていないのはなぜか?
結論からいうと、エコハウスとは名ばかりの低性能な「ハズレの家」が存在しているからです。
国交省推計(2019年)によると、日本における温暖地の「低断熱のスカスカ住宅は9割」という結果が出ています。
着工件数が多かった時代に、十分な断熱性能を早期に義務化しなかった政策の失敗が原因といわれています。
低断熱の何が問題か?
低断熱の家は、冬は寒く、夏は暑く、そして電気代も高くなります。
低断熱の家に住んでいると、寒い冬に無暖房の状態では家の中にいるのに外と変わらないほど寒くなり、反対に夏場は外と変わらないぐらい暑くなります。
壁がスカスカの状態ですから、いくら暖めても(冷やしても)どんどん抜けていき、それを補おうとして暖房機器(冷房機器)が頑張って稼働することになり、結果的に光熱費がかさむことになります。
今(2022年現在)は原油価格も高騰していますからなおさらです。
そんなウソのエコハウスが世の中にたくさんあると、『エコハウスのウソ2』の著者は記しています。
建て主みんながしっかり勉強しよう
ウソのエコハウスを建てないために、建て主はどうすればいいのか。
『エコハウスのウソ2』の著者の言葉を借りると、
「建て主みんながしっかり勉強して、エコハウスを確実に建ててくれる設計者・施工者を見つけ出す努力が不可欠」
ということです。
【NPO法人 家づくり援護会】は、家づくりの準備期間は、「少なくとも2年」と提案しています。
事業者任せにするのではなく、自分なりの納得解をもとうとする姿勢が大切だと思います。
高性能な家を建てたいならば、住宅展示場や内覧会で営業マンの話を聞くだけでなく、家づくりに関する書籍を読むなどして自分なりに勉強しなければなりません。
事業者任せにして低性能な家を建ててしまうと、暑さや寒さに耐えながら、さらに高額なエネルギーコストに苦しむ生活になってしまいます。
低断熱・低気密の住宅だと、家中を暖房すれば燃料費が高額になり、かといって後から断熱強化を行うと割高になります。
結局、寒くて不健康な環境に「泣き寝入り」しかなくなるという…。
では、どうすれば本物のエコハウスを見つけられるのか。
エコハウスに住むための4つのポイント
『エコハウスのウソ2』を参考にして、エコハウスに住むためのポイントを私なりに4点で整理してみました。
- 寒冷で冬の日射が少ない地域は、暖房コストが安く済むよう、より強力な断熱・気密や、暖房設備の高効率化が重要(冬の無暖房化)
- UA値やηAC値は、快適性や省エネ性能を保証するものではない
- ハウスメーカーの方が高性能に見えるが、彼らは大量生産に最適化されており、物件ごとの仕様変更が困難なので性能競争において必ずしも有利でない
- プロの設計者・施工者が実力を発揮できる関係をつくる
特に【4】は、長く住み続けていく上で欠くことのできない、人と人とのつながりを意味しているのではないかと思います。
例えば、建て主が設計者や施工者に対して、横柄な態度で無理難題を押し付けてばかりいたら、いくらプロでもやる気をなくしてしまいますよね。
建てて終わりの関係ではなく、建てた後も困ったときに助け合えるような関係を築きたいものです。
「ZEH=省エネ住宅」ではありません
【2】に関連して、『ZEH (ゼッチ)』という言葉を聞いたことがあるかと思います。
ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」のことです。
まさしくエコハウス!という感じがしますが、実は違います。
ZEHは、「ちょっとの断熱強化」と「現在では普通の設備」に「普通の容量の太陽光発電」を載せれば認められるという東京大学准教授の前真之氏。
つまり、「ZEH=省エネ住宅」ではないのです。
ZEH仕様だからといって、過剰な期待をしてはいけないですね。
カンナも使えない大工!?
【3】について、ハウスメーカーの家も結局地元の工務店が下請けします。
工務店によっては、カンナも使えない大工が説明書を見て建てているという話を聞いたことがあります。
それは、厳しい教員不足の状況を受けて、教員免許がなくても教員になれる教育界と似ている気がします。
実質、「無免許」で教壇に立つようなものです。
話がそれましたが、どの業界においても自分なりに勉強して情報を収集し、本質を見抜く力を鍛える必要があるという点で共通しているのではないでしょうか。
【まとめ】 健康・快適な暮らしを絶対にあきらめないという強い意志をもつこと
ウソのエコハウスを見抜く方法として、他にも太陽光発電の売電単価や蓄電池の容量など細かいポイントがありますので、気になる方はぜひ『エコハウスのウソ2』をお読みいただければと思います。
以上、エコハウスづくりのお役に立てれば幸いです。