光熱費を下げる『エコハウス』
「物価が上がって家計を圧迫しているから家の固定費を見直したいけど、どうすれば下げられるの?」
この記事はそんな疑問をもつ方に向けて書いています。
光熱費を下げる『エコハウス』
本記事を書くにあたり、松尾和也氏の『エコハウス超入門』を参考にしました。
物価が上がるも給料は上がらない、そんなスタグフレーションと呼ばれるような現象が起きている昨今(2022年7月現在)、固定費はできるだけ下げたいところ。
固定費の中の『光熱費』を下げる、そしてイニシャルコスト(初期費用)を下げるための方法を1つご紹介すると、「高断熱の窓にして気密性能を高め、無垢フローリングにする」ことです。
床が冷たくなる原因を取り除いてしまえば、床暖房は不要になります。
さらに、床暖房にかかる光熱費を節約することができます。
高断熱の窓にして気密性能を高め、無垢フローリングにする
床暖房の導入費用は、40万〜70万円程度かかるといわれています。
床暖房の光熱費も、広さや使用頻度によって変わりますが、月々1万円前後かかります。
それらの費用を窓やフローリングにあてることで、トータルコストで安くするという計算です。
「新築住宅の70%以上を占める複合フローリングも床の冷たさを促進している」と指摘するのは『松尾設計室』を営む松尾和也氏。
松尾氏は、健康で快適な省エネ住宅を経済的に実現することを目標に住宅を設計しておられます。
イメージだけの快適さ(感覚に頼った設計)ではなく、数字(理論的に)でどれだけエコなのかを示そうとしている一級建築士です。
無垢フローリングにすると氷点下になる冬でも床が冷たくなりにくい
わが家のフローリングは一階も二階も無垢のパイン材ですが、氷点下になる冬でも床が冷たくなりません。(基礎断熱も施しています)
極寒の冬に、無暖房で過ごせる日もあります。
気密性能を高めれば、床暖房どころか、一切の暖房機器を使わずに済む日もあるということです。
無暖房で過ごせる日が多ければ多いほど、さらに光熱費をおさえられます。
床暖房を否定するつもりはありませんが、光熱費を下げたいのあれば、床暖房を設置しない、使わないという考えをもつことですね。
機械(床暖房など)に頼りすぎずに、自然(無垢フローリングなど)を生かすという考え方が、光熱費の削減につながります。
そのように、環境に負担をかけない方法で建てられた住まいは、【エコハウス】と呼ばれています。
エコハウスとは…
地域の気候風土や敷地の条件、住まい方に応じて自然エネルギーが最大限に活かされることと、さらに身近に手に入る地域の材料を使うなど、環境に負担をかけない方法で建てられることがエコハウスの基本となります。
環境省 21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業
次に、推奨する窓をご紹介します。
床が冷たくなる原因の1つが断熱性能の悪い窓
高断熱の窓についてですが、松尾氏は「アルミサッシ」の窓ではなく、『樹脂窓』で遮熱Low-Eペアガラスをオススメしています。
窓全体の断熱性能を表す「Uw値」や樹脂枠だけの断熱性能を表す「Uf値」、ガラスだけの断熱性能を表す「Ug値」などがありますが、本記事では省略します。
住宅において、窓からの熱損失は48%に上るといわれています。
熱損失とは、ある室内状態をつくったときに、室内から外部へ単位時間に逃げていく熱量のことです。
窓の断熱性能が低いと、家の中の熱が外に逃げやすくなるということです。
外壁や換気などによっても熱は逃げますが、窓からは約半分の熱が逃げているのです。
ですから、家の高断熱化を図るためにも、窓の高性能化を最優先するべきです。
すでに持ち家があるという方は、フローリングを無垢フローリングに張り替えるのは大掛かりになってしまいますので、部分的にアルミサッシを樹脂窓に替えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
【まとめ】太陽に素直な設計をして光熱費を下げる
エコハウスには『太陽に素直な設計=パッシブデザイン』が欠かせないことも付け加えておきます。
パッシブデザインとは、夏の日射をさえぎり、冬の日射は取り入れていかす手法のことです。
簡単に触れておきますと、パッシブデザインを取り入れることで、夏場はエアコンの電気代を節約することができます。
以上、光熱費を下げる際のご参考になれば幸いです。
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