【閲覧注意】『「建てる前」に読む本』を建てた後に読んでみた
『後悔先に建たず』
建ててから悔やんでも取り返しがつかないことを、何度も強調する【NPO法人 家づくり援護会】。
「専門家に任せればよい家ができる!」と考えたら後悔の始まりであり、そう考えている人が多いようです。
家づくりで後悔しないためには、決して家づくりを人任せにしないという決意が必要だと痛感する一冊【「建てる前」に読む本】です。
【閲覧注意】『「建てる前」に読む本』を建てた後に読んでみた
あまりにも多い「欠陥住宅の悲劇」という現実から、NPOを設立するにいたった【家づくり援護会】が出版している本書。
人任せにしないためには、情報収集したり、予備知識を身に付けたりしなければならないということです。
では、家づくりにどれくらいの準備期間が必要なのか?
家づくりを決意してから竣工まで、少なくとも2年程度の時間的余裕をもつのがよい
家づくりの準備期間は、「少なくとも2年」と著者は提案しています。
2年はあまりにも長く険しい道のりのように感じてしまいますが、それぐらいの覚悟をもって準備してこそ、後悔のない家づくりができるということです。
ちなみに、わが家では「4年」ほどの時間的余裕をもてたおかげか(頭金を貯めるのに時間がかかりました…)、今のところスイッチの位置以外は後悔のない家づくりができました。
「よい暮らしは家の広さや豪華さによって決まるものではなく、家の使い方や暮らし方に対する住み手の創意工夫によって決まる」といわれるように、貪欲に家づくりに関わることが大切だと思います。
2年も準備していたら機会を逃してしまうという方のために、私が深く納得した箇所を簡単に「3点」記しておきます。
① 契約については、すべての与件が整ってから締結すること
建築工事請負契約の時期は、計画がすべて決まり、その内容・規模について詳細に金額の取り決めがなされた後でなくてはならないということ。
つまり、建物の細かい仕様まで双方合意を結んでから契約するのです。
この手の書籍で必ずといっていいほど出てくる注意点です。
そして、家づくりにおいて、『大勢の人が立ち会っていてもうっかりミスは起こる。無責任体制という分業化の悪い面が露呈、責任の分散であり、リスクの分散を図っている』と著者は考えています。
ですから、欠陥住宅が生まれやすい背景があることを念頭に置いて、家づくりをすべきだと思います。
② 「有名だから」という大手信仰を捨てることが、安くて良質な家を手に入れるコツ
1960年代の半ばごろまでは、どこの町や村にも腕のいい棟梁たちがいて、その地域の人たちは迷わずに彼らに家づくりを託すことができたそうです。
1960年代後半から、棟梁に代わってハウスメーカーが家づくりの主役になったようです。
ところが、大規模なハウスメーカーが存在するのは世界広しといえども日本だけの現象とのこと。
住宅展示場は、実際に家を建てようとしている人が施工業者を選ぶ場所としてはさほど便利にはできておらず、業者選びで最も容易で主体性のない方法は、「有名だから」という理由で選んでしまうことだと著者は指摘しています。
安易な業者選びが取り返しのつかない家づくりにつながってしまうので、慎重に業者を選ばなければなりません。
参考までに、『「坪単価」は、日本建築業界の悪しき「どんぶり勘定文化」の流れを汲むものだから要注意。経験則から割り出した工事価格で、正確な設計条件や工事の難易度を勘案して決めたものではない』ということを頭に入れておきましょう。
③ 合板や集成材という工場生産品は、ほとんどが接着剤の塊
『シックハウス症候群』という言葉を聞いたことがあると思います。
シックハウス症候群とは、主に構造用合板等に使われる接着剤に含まれるホルムアルデヒドをはじめ、トルエン、キシレン、バラジクロロベンゼン等の化学物質が原因となって発症する病気です。
現在は、様々な化学物質の発散もあるので、住人の身体への影響を低減するために換気設備を設けることが原則となっています。
言ってみれば、室内の空気は化学物質で汚れるのが当たり前だから、強制的に空気は入れ替えましょうということです。
使用する建築材料に含まれる化学物質を理解した上で、家づくりをすべきだということです。
また、【日本の家は寿命が短い】とはよく言われることです。
『木本来の性質からすれば50年以上は優にもつといわれているのに、柱と土台、柱と梁、梁と小屋組など大事な接合部分をボルトや釘、金物など金属材を使用していることで、寿命が15年から30年程度となってしまう』ということを覚えておくとよいと思います。
【結論】家づくりを急いで得をすることなど何一つない
以上、3点のみのご紹介となりましたが、詳しくは本書をお読みください。
まずは、『家づくりを急いで得をすることなど何一つない』ということを肝に銘じることが、家づくりの一歩目になると思います。
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