35年住んで500万円お得になる家に住もう
「長年住む家をお得に購入する方法はないのか?」
この記事はそんな疑問をもつ方に向けて書いています。
「生涯、賃貸に住むからマイホームは持たない!」と心に決めている方には参考にならないかもしれませんが、もしかするとマイホームの魅力に気づくことになるかもしれませんので、お読みいただければ幸いです。
35年住んで500万円お得になる家に住もう
結論からいうと、外壁の張り替えなどの「メンテナンス費用」や光熱費などの「ランニングコスト」を抑えられる住宅を持てば、一般的な住宅と比べて35年間で500万円のコスト削減が可能だということです。
一般的な建売住宅は、30年で約850万円のメンテナンス費用がかかる
『一級建築士YouTuber』の金谷尚大氏によると、一般的な耐久性を持つ建売住宅でいえば、「30年で約850万円のメンテナンス費用がかかる」とされます。(サンクチュアリ出版「後悔しない家づくりのすべて」より)
住宅購入時に2,000万円で建てたとしても、メンテナンス費用(維持費)が850万円かかってしまえば、30年間のトータルで見たときに2,850万円で建てたと同義になるのではないでしょうか。
私は親や知人から、「住宅は建てたときと同額ぐらいのメンテナンス費用がかかる」と教わったことがあります。
しかし、それは一般論であって、工法や建築材料を工夫すれば、メンテナンス費用をかなり抑えることができます。
ここでは工法や建築材料の詳しい説明を割愛させていただきますが、例を挙げるとすれば、外壁・屋根・バルコニーを工夫するだけで数百万円のメンテナンス費用を抑えることができます。
外壁は塗り壁、屋根は瓦、バルコニーは不要
- 外壁は神社仏閣に用いられるような「塗り壁」にすることで張り替えがいらなくなる
- 屋根は「瓦」にすることでスレート葺きより長持ちする(50年以上)
- 防水処理が必要不可欠なバルコニーやベランダ、屋上を作らない
外壁に用いられる一般的なサイディングの張り替えには、足場を組むコストを含めると数百万かかるといわれています。
一方、神社仏閣でも用いられるような塗り壁にすれば、100年以上の耐用年数が期待できます。
あるシミュレーションでは、塗り壁にして、瓦の屋根にして、バルコニーをなくせば、一般的な住宅と比べて「500万円」ほどお得になるという試算が出ています。
断熱性能を高めて設置するエアコンの台数を減らす
他には、エアコン1台だけで快適に過ごせるような高断熱・高気密住宅にすれば、エアコンを数台設置しなければならない住宅と比べて、メンテンナンス費用も電気代も抑えられます。
わが家は高断熱・高気密の住宅にしたことにより、夏場はエアコン1台で過ごすことができます。
上の2枚の画像は、2019年9月から2020年8月まで請求された、わが家の電気代とガス代をまとめたものです。
アナログに手書きでまとめています。笑
現在、2階建て31坪の戸建てに住んでいるのですが、以前住んでいた1LDKの電気代とガス代と比べると、さほど変わらなかったのです。
一戸建てになったからといって、光熱費などのランニングコストが上がるとは限らないのです。
反対に、エアコンの台数が多ければ多いほどランニングコストがかさむだけでなく、故障したときに買い替えるコストが増えます。
ところで、高断熱・高気密の住宅にすれば、イニシャルコスト(初期費用)が高くつくからトータルでは損するのではないかと疑問に思った方がいるのではないでしょうか?
ここで、自動車を例に、いかにしてお得な家に住むかをご説明します。
12万5千Km以上走るならば、ガソリン車よりハイブリッド車がお得になる
ハイブリッド車の車両本体価格が300万円、ガソリン車が250万円だとすると、その差額は50万円です。
1リットルあたりにどれだけ走れるかを表す「燃費(燃料消費率)」を比べてみます。
ハイブリッド車が30km/L、ガソリン車が15km/Lだとすると、その差は15kmになります。
ガソリン代が1L120円だとして、1万km走るのに必要なガソリンは、ハイブリッド車は約333Lで4万円ほどかかり、ガソリン車は約666Lで8万円ほどかかります。その差額は4万円です。
購入価格の差額50万円をガソリン代の差額4万円を割ると12.5になります。
走行距離が1万kmの12.5倍という意味ですので、12万5千km走ると元が取れるという計算になります。
つまり、 12万5千km より多く走れば走るほど、どんどんお得になるということです。
これを、家に置き換えます。
1LDKの賃貸に35年間住み続けるより、一戸建てに住む方が「35万円」お得になる
いったん、言葉を整理します。
初期費用や導入費用など初回に1回だけ払う「イニシャルコスト」、光熱費(電気代・ガス代・水道代)など払い続ける必要のある「ランニングコスト」、イニシャルコストとランニングコストを合わせて「ライフサイクルコスト」と呼びます。
高気密・高断熱住宅にすることで高くなってしまうイニシャルコストを、ランニングコストを抑えることで回収しましょうという話です。
わが家を例に、賃貸と新居の電気代とガス代を比較します。水道代はどちらも変わらないので省きます。
賃貸の頃は電気代とガス代を合わせて年間で約23万円(灯油代含む)、新居1年目は約22万円でした。差額は1万円です。
高気密・高断熱住宅に35年間住み続けるとすると、1LDKの賃貸に住み続けたときより35万円お得になります。
一般的な住宅と比べると、おそらくもっと大きな差になるはずです。数百万円の開きになるでしょう。
つまり、多少割高になったとしても断熱性能を上げるためにイニシャルコストをかけた方が、長年住み続けることでお得になるということです。
35年間のメンテンナンス費用やランニングコストを抑えることで、500万円のコストダウンが可能になるということです。
【まとめ】35年間で500万円の浪費をしない
固定資産税なども考慮しなければなりませんが、イニシャルコストだけでお得かどうか判断しない方がいいということはお分かりいただけたのではないでしょうか。
「35年間で500万円お得になる」ということは、「35年間で500万円浪費しない」と言い換えることもできます。
以上、マイホームの予算を考えるときのご参考になれば幸いです。
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