【いつか後悔する】リビングにテレビを設置するデメリット
家族そろってリビングでテレビを見ている姿は、微笑ましい光景にうつると思います。
ただ、テレビを見過ぎるのはよくないと考えている人は多いのではないでしょうか。
そこで、「テレビが面白いから見過ぎてしまう」という理由以外で、間取りの観点から長くなる視聴時間の原因を考えてみます。
【いつか後悔する】リビングにテレビを設置するデメリット
リビングのテレビはテレビを見るように仕向けられている
我が家ではリビングにメイン使いのテレビを置いているのですが、設置することに私はあまり賛成ではありませんでした。
理由は…
テレビを見れば見るほど時間を奪われて損した気分になる
と思っているからです。
振り返ってみると、「テレビを見ていた時間に読書したり、スキルを磨いていたらなあ…」と後悔の念にかられることがよくあります。
私が子どもの頃にテレビっ子(ドラマを1話見たら最後まで見ずにはいられない!)だった反動なのか、今は「3S政策にまんまとハマっている!」とさえ思っています。
3S政策については割愛させていただきます…。
面白いテレビ番組は好きなので、テレビを見ることを否定しているわけではないです。
よくよく考えてみると、過去に私がテレビっ子になったのは必然だったと思っています。
インターネットが普及していない当時、家族が集まる茶の間にテレビとコタツとミカンがあれば、当たり前のようにテレビをだらだら見ることになります。
親が子に対して、「テレビばかり見ていないで勉強しなさい!」と怒ったとします。
ところが、自動的にテレビを見られる環境に仕上がっている中で、加えて意志の弱い子どもが「やりたくもない勉強をする」を選択するのは難しいことです。
リモコンに手が伸びるという『アフォーダンス』
リビングにテレビがあるとついついリモコンに手を伸ばしてしまう…これを、アメリカの知覚心理学者ギブソン(Gibson.J.J )によると、『アフォーダンス』と言うそうです。
動物が利用する環境の性質のことです。
私の解釈では、「もの・デザインには指示が含まれている」ということです。
例えば、ドアの取っ手やツマミは、形を見ただけで押すのか引くのかすぐに分かります。
取っ手自体が押せと指示しています。
蛇口には「ここを手で回します」という説明書きがなくても、誰でも自然に回すことができます。
蛇口自身が回せと指示しています。
物ではないですが、暗がりのバーに行くと、「静かにしてください」と注意しなくても、自然と声が小さくなるものです。
設計士にとって、空間デザインを設計するときに重要な視点になると聞いたことがあります。
そうは言っても、すでにリビングにテレビが大きな態度で居座っていますし、テレビを撤去するわけにもいかないので、我が家では「家族のルール」を決めています。
家族といっても、子どもの成長に悪影響を及ぼさないようにするためのルールです。
ルールをご紹介しますと、食事中は見ない、映画は1日1本までにする、勝手にテレビでYouTubeを見ない…などです。
あとは、子どもを外に連れ出したり、アクアビーズで一緒に作品を作ったりして、テレビを見るより楽しいことを提案するようにしています。
環境が人をつくることにもつながるのかもしれません。
ここで、アフォーダンスを生かした設計、間取りを考えてみたいと思います。
アフォーダンスを応用した設計・デザイン例(まとめ)
- 玄関付近に手洗い場を設けることで、帰宅後すぐに手を洗う習慣が身に付きやすい。
- 子ども部屋を4.5畳、親の寝室を12畳のように広くすることで、子どもは狭い部屋にこもりっぱなしになりにくくし、親の権威性(親にはかなわない)を保つことにもつながる。
- 小便器の中に的のようなイラストがあると、男子は的をめがけておしっこをしたくなり、おしっこが外に飛び散ることを防ぎやすい。
- 冬にコタツがあると長時間居座ったり居眠りしたりしやくすなってしまうため、そもそもコタツは置かない。
- リビング階段にすることで、反抗期の子どもでもリビングを通らず(親の顔を見ず)に2階の自室まで行くことができない。リビングに階段が設置できない場合は、吹き抜けをつくることでコミュニケーションが取りやすい(声が届く)。
以上、リビングにテレビを置くことのデメリットに触れながら設計についても考察してきました。
間取りを考えるときには、動線設計もそうですが、「アフォーダンス」の視点で生活をイメージすることは大切ではないかと思います。
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