【絶対に後悔しない】『ハウスメーカー&工務店選び』

家づくり

「ハウスメーカーや工務店はたくさんあるけれど、どの業者を選べば後悔しないのか?」

この記事はそんな疑問をもつ方に向けて書いています。そんな方のご参考となる書籍をご紹介します。

【絶対に後悔しない】『ハウスメーカー&工務店選び』

【絶対に後悔しない】『ハウスメーカー&工務店選び』
参考:市村 博・市村 崇(2017)『建てる前に読む! 絶対に後悔しないハウスメーカー&工務店選び 22社本音徹底比較!!』、廣済堂出版

著者の市村博氏と市村崇氏は、家づくりの第三者チェックをする「ホームインスペクション」を行っています。

ホームインスペクション(住宅診断)とは

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務を指します。

NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会

つまり、「家の健康診断」です。マイホームの壁内や床下、耐震などに問題がないのか、第三者の視点から診断していただくことは安心につながりますよね。

ところで、『失敗しない家づくり』のコツは分かりますか?

失敗しない家づくりのコツ

失敗しない家づくりのコツ = 時間をかけて細かいところまで決めておき、家づくりにかかる本当の総額を見積り、検討した上で契約すること

ということです。

「とにかく雨風を防ぐことができて住めればいい!」という方は本記事は参考にならないと思いますが、ここまで読んでくださった方は少しでもいい家に住みたいとお考えの方だと思います。

まず、家を新築すると、「営業⇒設計⇒工事⇒アフターと進むにつれて、満足度が減少していく」ことが現状であると著者は指摘しています。それは、契約前の段階に問題があるともいえます。

契約する前に、工事費用などの詳細が書かれた【明細見積書】を確認することが重要だと、家づくりに関する他の書籍にも書かれています。

営業マンは、『仮契約ですから!』と「一式見積書」「概算見積書」のような簡単な見積書だけで契約を迫ることがあり、契約してしまう人が少なくないということです。

大雑把な見積書では、後からどんどん値を吊り上げていくことが可能になり、結果的に家づくりの満足度が下がっていきます。そうならないためにも、契約前に本当の総額を見積もることが欠かせません。

「追加変更の際に金額変更がありうることを説明しないような営業マンはもちろんダメ営業マン」であることも付け加えておきます。

有名メーカーだから間違いないということは、絶対にない

マイホーム購入するにあたって、友人や知人と話をすると必ずといっていいほど交わされる会話は、「大手だから安心」「有名メーカーだから信用できる」というイメージ先行の言葉です。『長いものに巻かれろ』のことわざに象徴されるような日本人の気質も影響しているのかもしれません。

しかし、「テレビCMでよく見る有名なメーカーだから間違いないということは、絶対にない」と断言する著者。

なぜなら、ほとんどの場合、ハウスメーカー各社は家をつくっていないからだそうです。

つくっているのは、下請けの工務店が雇った職人であり、家の良し悪しは職人の腕に左右されることになります。故に、大手だから、有名だからと安心とはいえないことになります。

多くの建築家・設計士は経験が不足している

さらに、現場担当者の知識とスキルが不足しているから問題が発生するともいわれています。「多くの建築家・設計士は経験が不足している」のだと。

「建築界というところは不勉強な世界」だと嘆く建築家もおられます。そもそも日本の大人は勉強しないという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

日本の社会人の平均勉強時間が「6分」だといわれています。建築界に限らず、日本の社会人は世界の社会人と比べて、学習や自己啓発の時間が短い傾向にあると総務省が明らかにしています。

社会人の平均勉強時間は6分

平成28年社会生活基本調査

ですから、悔いのない、納得のいく家を建てたいと思うのであれば、「ある程度建築の知識を身につけ、重要なポイントをチェックする」以外にありません。

業者任せにすることなく、自分なりに知識武装をしてから業者と向き合うことが大切だということです。

ハウスメーカー・工務店各社の『ウリ』を見極める

住宅メーカー各社にはそれぞれ得手不得手があります。ハウスメーカーや工務店選びで後悔しないためには、得手不得手となっている理由、その裏に隠された事実を見抜く知識が要求されます。

以下に、見抜くための知識を一部ご紹介します。

  • 坪単価で40万以下、一般的な広さなら総額1000万円台までで建つのであれば『ローコスト住宅』であり、金額を前面に出して営業するが、それしか特徴がない。
  • 『耐震等級3』であっても、施工の品質管理がずさんであれば、耐震等級1よりも劣るということもあり得る。
  • 『長期優良住宅』の寿命が必ずしも長いとは限らない。理論通りに実践しているかどうかで寿命が決まる。

他にも最低限は身につけておくべき知識がありますが、詳しくは本書をお読みいただければと思います。

【結論】住宅業界はビジネス・コスト至上主義

最後に、なぜ欠陥住宅や後悔する家づくりがなくならないのか、その原因を考えてみたいと思います。

欠陥住宅が撲滅されない最大の理由は、「ビジネス・コスト至上主義にこそある」と著者は述べています。

「行き過ぎたコストダウンは対価を支払う建主を完全に無視している」と言わざるを得ないということ。

ビジネス・コスト至上主義になってしまう背景には、「2032年頃には、新築住宅建築数は4割も減少すると予測されていて、住宅業界は斜陽産業」であることが影響しています。

だからといって、ずさんな品質管理や偽装がまかり通っていいわけがありません。

建築基準法の第一条には、「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする」と記されています。

ビジネス・コスト主義であったとしても、「真摯に家づくりと向き合い、技術を研鑽し、お客様に満足してもらえるように日々努力をする会社に存続してほしい」と願う著者の言葉にあるように、住宅業界に関わる方には真摯な家づくりを期待しています。

そして、ヨーロッパ諸国に見られるように、日本においても家づくりがビジネスではなく『文化』としてとらえられるようになれば、家づくりで後悔することがなくなっていくのだろうと私は思います。

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