【本質】『土地に住みますか?家に住みますか?』

家づくり 工法

マイホームを建てようと決意して、いざ土地から探さなければならないとなったときに、

「駅前に安くていい条件の土地があれば…」

と誰しもが一度は考えことがあるのではないでしょうか?

私もその一人でした。ところが、よくよく考えてみると、『土地にお金をかけ過ぎると、建物にかけるお金が減っていく』ということに気づきます。

駅前の土地は利便性がいいので、周辺の土地の価格と比べて当然高くなります。

そこで、【土地に住みますか?家に住みますか?】の著者は、「土地ありき」の考え方からの脱却をうながし、「家優先」の暮らしやすさや健やかさといった生活場面の豊かさに重きを置くことを推奨しています。

初めての家づくり、成功の秘訣が記された書籍をご紹介します。

【本質】『土地に住みますか?家に住みますか?』

【本質】『土地に住みますか?家に住みますか?』
参考:古橋裕一(2010)『土地に住みますか?家に住みますか?』、日本建築出版社

[書籍のゆうメール同梱は2冊まで]/土地に住みますか? 家に住みますか? (単行本・ムック) / 古橋 裕一 著

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著者は、「家優先」で家づくりをすることを何度も訴えています。

なぜ、「土地ありき」ではなく「家優先」に重きを置くのか?

それは、

『総予算』から土地の価格を引いた残りの予算の範囲内では、理想とする家を実現することが困難な人が多いからです。

十分な予算があり、土地も建物も望み通りにお金をかけられれば問題はないのでしょうが、現実はそうはいかないケースが多いと思います。

土地にお金をかけ過ぎてしまったがために、理想とはかけ離れた不満足な家を建てることになってしまうということです。

著者は、理想の住まいづくりのためには、むしろ“土地なし”のほうがよいと提案しています。立地に目がいく前に、先に建物の希望を予算の範囲内に作っていく方が、夢のマイホームに近づけるということです。

駅からちょっと離れるだけで予算に余裕ができ、スペースを広くとれたり、ゆったりした家が建てられたりしたお客様を見てきたとのことです。

さらに、家づくりにはたくさんの経費がかかりますので、【諸経費】といわれる部分を、土地と建物のおよそ13~15%として計算しておくことも大事だそうです。

では、「夢の形の家」を建てたいと思っているが、どんな家を建てれば夢が叶うのか。

理想の家をうまく思い描けないという方には、「良い家」とは何かを考えてみることをオススメします。著者は、「良い家」の定義をこう記しています。

「良い家」の定義

  1. 丈夫で長持ちする家
  2. 健康に暮らせる家

1つ目の「丈夫で長持ちする家」にするためには、【工法】【断熱材】にこだわるということです。

2つ目の「健康に暮らせる家」にするためには、【シックハウス症候群】が起きないように、有害な物質が発生する建材の使用を抑え、無垢材といった自然素材をできるだけ多く取り入れる(柱や梁などにも)ということです。

【工法】について本書で触れられていたので、以下にまとめておきます。

工法

  • 在来軸組工法
  • 枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
  • プレハブ工法
  • 鉄骨(S造)造(重量鉄骨造)
  • 鉄筋コンクリート(RC造)造

現代の建築技術において、手抜き工事などなければ、どの工法でも安心だと著者は断言しています。

最後に、【断熱材】をまとめておきます。

断熱材

  • グラスウール
  • セルローズファイバー
  • ウレタン

著者は、「グラスウールと日本の気候との相性は、あまり良いとは言えない」と指摘しています。そして、断熱と調湿に優れているのは、新聞紙を原料としている『セルローズファイバー』だということです。

ちなみに、「珪藻土には、シックハウス症候群の原因となる、ホルムアルデヒドなどの化学物質は、いっさい含まれていません。」と本書にはありますが、他の建築家の中には『(有害な物質が発生する)ボンド入りの珪藻土』もあると指摘する方もいますので、ご自身で確かめられることをオススメします。

【結論】見えないところにお金をかけよう

良い家づくりのポイントは、『見えないところにお金をかける』という持論を記す著者。詳しく知りたい方は、ぜひ本書をお読みいただければと思います。

以上、家づくりのご参考になれば幸いです。

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