賢くマイホームを建てるコツ

家づくり

「マイホームを建てたいけれど、どうすれば後悔しないマイホームが手に入るの?」

この記事は、そんな疑問をもつ方に向けて書いています。

賢くマイホームを建てるコツ

賢くマイホームを建てるコツ
柿内和徳・川瀬太志(2016)『トクする家づくり 損する家づくり』、ダイヤモンド社

『トクする家づくり 損する家づくり』という書籍をもとに、賢くマイホームを建てるコツをいくつかご紹介します。



本記事でお伝えするコツは6点です。

  • 高気密・高断熱の家を選べば、経済的にも有利になる
  • 健康維持と断熱性能が関係している
  • 住宅会社でUA値(外皮平均熱貫流率)を確認する
  • 断熱性能を高めるために、窓枠には「木製」や「樹脂製」を使う
  • 家を建てる前に必ず地盤調査をする
  • 正しい家づくりの公式は「総予算-建物予算=土地予算」

それぞれ解説します。

ハイブリット車・電気自動車のような燃費のいい家を建てる

自動車に置き換えると理解しやすいと思いますが、初期の導入コスト(イニシャルコスト)が高い「ハイブリット車」や「電気自動車」に乗ることで燃費(ランニングコスト)をおさえ、長く乗り続ければ結果的に「ガソリン車」より得するという計算が、住宅にも当てはまるということです。

イニシャルコストが安い家(ガソリン車)に住むことで光熱費や維持費などが高くなり、長く住み続けることで結果的に高気密・高断熱の家(ハイブリット車・電気自動車)より割高になってしまいます。

たとえば、省エネ性能を高めるためにイニシャルコストに200万円かけたとしても、35年ローンで支払うと月々5000円程度になります。

ランニングコストの1つである光熱費で月々5000円以上の節約ができれば、何年後かに逆転できるということです。

断熱性能の高い家でこそ健康な暮らしができる

慶應義塾大学理工学部の伊香賀俊治教授によると、断熱性能の低い家から高い家に引っ越すと「アレルギー性鼻炎(花粉症)」「アトピー性皮膚炎」「気管支ぜん息」「糖尿病」などの症状が改善されたという調査結果が出ています。

断熱性能が低く、場所によって温度差が大きい家で暮らしていると、ヒートショック(気温の変化によって血圧が上昇して心臓や血管の疾患が起こること)によって脳血管疾患や心疾患などで死亡することもあります。

イギリスでは冬場の室温が18℃以下に下がる家を建ててはいけないという法律があるようです。

住宅性能を表す数値を見極めて家の価値を高める

UA値とは、外皮平均熱貫流率のことです。

UA値の値が小さければ小さいほど、住宅の保温性能が高く、熱が逃げにくく、断熱性に優れているといえます。

『トクする家づくり 損する家づくり』では、UA値が「0.56以下」を妥当と評価しています。

住宅会社で「平均UA値はいくつですか?」と聞くようにしましょう。

アルミサッシは先進国の中で日本でしか使われていない

窓から冬場の室内の熱の半分が逃げるといわれています。

にもかかわらず、断熱性能の低いアルミサッシが主流になっているのが日本です。

夏は涼しく冬は温かく過ごせるように、イニシャルコストが少々割高になっても、熱伝導が低い木製や樹脂製の窓枠を選ぶようにしましょう。

全国平均でおよそ30%の土地に地盤改良工事が必要

積み木やジェンガをイメージすれば理解しやすいと思いますが、土台がぐらついていると、その上にいくら丁寧にブロックを積んでもすぐに崩れてしまいます。

同じように、軟弱な地盤の上に家を建ててしまうと、建物の耐久性が低くなってしまいます。

地盤改良工事が必要な土地は全国平均で30%、山地が多くて地盤が固い四国地方は5%、「潟」と付くだけあって地盤が緩い新潟市は100%というデータがあるとのことです。

わが家も地盤調査した結果、地盤改良工事が必要と診断されて数十万円かかることになりましたが、必須条件と捉えて実施しました。

残った金額が土地にかけられる予算

残った予算で建物の広さやグレードを調整しようとすると、家の性能が犠牲になります。

家の性能が低いと、上記のように経済的にも健康面でもマイナスになることを指摘しました。

誰もが駅周辺などの好立地な場所に住みたいと考えますが、当然地価は高くなります。

本当に駅周辺が住みやすいのか、家の広さやグレードを落としていいのか、よく考えるべきです。

もう一度確認しますが、正しい家づくりの公式は「総予算-建物予算=土地予算」です。

わが家も残った金額で土地を探すことで、選択肢が狭くなって苦労はしましたが、結果的には十分な広さと満足のいく家づくりができました。

【まとめ】売り手と買い手の情報格差を埋めよう

よく分からないままマイホームを建てようとすると売り手の言いなりになり、後悔することになりかねません。

悪徳業者につかまらないためにも、買い手なりに知識武装をしてから家づくりを始めて、満足のいくマイホームが建てられることを願っています。

以上、賢くマイホームを建てるコツでした。

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