【誰も教えてくれない】『マイホーム建築の罠』とは?

家づくり

『誰も教えてくれない マイホーム建築の罠』という書籍をご紹介します。

【罠】と聞くと、マイホームを建築することがあたかも危険な行為かのようにとらえてしまいます。

表紙をよく見ると、ドクロが薄く描かれていますし…。とにかく、

「家を建てる前に必ず読んでください!」

と赤字で書いてあるので、素直に読んでみることにしました。

結果として、読んでよかったと思いました。

【誰も教えてくれない】『マイホーム建築の罠』とは?

【誰も教えてくれない】『マイホーム建築の罠』とは?
参考: 佐々木孝(2016)『誰も教えてくれない マイホーム建築の罠』、太陽出版

NPO法人ハウジングコンシェルジュの代表を務める著者が、住宅問題に10年以上の長きにわたり対応してきた経験を詰め込んだ内容となっています。

始めから、「多くの住宅会社は顧客をだまして暴利をむさぼっている」と衝撃的な言葉を放つ著者。

多くの業者が長持ちする家を建てようとしていない

家の寿命は ❝平均30年❞ と国土交通省から発表されていますが、確かにそんなものだろうと思ってしまいますが、それは「多くの業者が長持ちする家を建てようとしていない」結果なのだそうです。

言い換えれば、多くの業者は早く壊れる家を建てているということになります。

世の中のほとんどの商品がリピート商品であることに対して、「家」をリピートすることは稀です。ですから、リピートしなくてもよいと思っているお客様には、ぼったくりバーの如く暴利をむさぼっているというのです。

本当に暴利をむさぼっているのかは分かりませんが、長持ちされては儲からないという理屈は理解できます。家が100年持つより、30年で建て替えてもらうか、リフォームや外壁修理などをしてもらった方が業者の利益が出るだろうことは容易に想像できます。

では、暴利をむさぼられないためにはどうすればよいのか。

契約前に【明細見積書】を必ず確認する!

契約する前に、工事費用などの詳細が書かれた【明細見積書】を確認することが欠かせないということです。

よく考えてみれば当たり前のような気もしますが、「一式見積書」「概算見積書」のような簡単な見積書だけで契約を迫る業者が実際に存在していて、契約してしまう人が少なくないということです。

大雑把な見積書では、後からどんどん値を吊り上げていくことが可能になるとのことです。だから業者は暴利をむさぼれるのです。

そして、【明細見積書】の要求を断られないようにするために、『建築業第20条がその根拠』と伝えることが大事だそうです。そもそも【明細見積書】の要求を断る業者とは付き合わない方がいいとも述べられています。

さらには、「法的効果が薄い仮契約書というものは存在しない」ということです。「仮契約ですからとりあえずサイン(捺印)を…」と業者に言われたら、嘘をつかれている可能性が高いということです。仮契約が存在しないということは、『本契約』になってしまうということです。

これらの【罠】に引っかからないためには、打ち合わせ前に、本書の巻末付録となっている『合意書』に業者からサインをしてもらうことを勧めています。打ち合わせ時のトラブルの大部分を解消することができる『合意書』になります。

【おまけ】著者がオススメする工法

最後に、著者がオススメする工法をご紹介します。それは、「無垢の構造材を使った在来工法」です。

在来工法は非常に長持ちし、無垢材で作る在来工法の構造は日本の気候に合っているので、水に気をつければ50年持つといわれているそうです。ただし、リスクもあります。

在来工法のリスク

  1. 下手な大工に依頼すれば欠陥住宅になりかねない
  2. 着工から半年など、工期が長くなる
  3. こまめなメンテナンスが必要

上記の3点をクリアすれば、長持ちする良い家に巡り合うことができるということです。

以上、マイホーム建築の罠に引っかかることなく、満足のいく家づくりのご参考になれば幸いです。詳しくは書籍をお読みください。

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